「新社会兵庫」 11月22日号
 11月23日は勤労感謝の日。休日になるのはいいことであるとしてもいったい、誰が誰の勤労に感謝するのであろうか▼社会を支えている労働者の勤労に感謝するのであれば結構なことであるが、労働者の買い叩き、使い捨てが横行する世間の様を見れば、労働に敬意を表する雰囲気ではない▼11月23日を祝日にするために、米国のサンクスギビング(神への謝恩)デーを借りてきたものであろう。敗戦まではわが国では、11月23日は天皇が初めて新米を食べる新嘗祭(にいなめさい)という宮中神事であった。宮中神事を国民も祝うことで天皇崇拝の証しとしたのである▼今も国民の祝日の多くが、天皇に由来することをヴェールに包んだまま休日として祝われている。2月11日「紀元節」、3月21日「春季皇霊祭」、4月29日「天長節」、9月23日「秋季皇霊祭」、11月3日「明治節」、11月23日「新嘗祭」などである。これらの休日は畏れ多いために、他の休日のように3連休にするために便宜的に動かさない▼常用漢字表にも同じような意図が隠れている。「朕」「璽」「勅」「詔」が入っている。教育勅語は「朕惟フニ……御名御璽」となっていた。主権在民の日本国憲法の下ではほとんど使われることのない言葉である。
普天間基地の辺野古移設
政府は環境アセスの評価書提出を見送れ
 10月25日、玄葉外相と一川防衛相はパネッタ米国防長官と会談し、沖縄・普天間飛行場の名護市辺野古移設の日米合意に沿って、移設先海面の埋め立てに必要な「環境影響調査(環境アセスメント)」の評価書を年内に沖縄県知事に提出することを伝えた。
 環境アセスは2007年8月に始まったが、鳩山政権で移設先の見直しが行われたため一旦中断されていたものだ。パネッタ米国防長官は、これを評価し、普天間移設とともに在沖縄海兵隊のグアム移転の進展を図る考えを示した。日米両政府による辺野古移設推進の確認である。
 この間、アメリカは普天間移設に向け「強い」態度で日本政府に圧力をかけてきている。オバマ大統領は、9月4日の野田首相就任直後の電話会談で、祝意のみの伝達が通常と言われる中、異例の普天間移設完遂を求めた。9月9日にはルース駐日大使が一川防衛相を訪れ、普天間基地の辺野古移転を早急に進めるよう要請。これらを受け、9月16日には普天間移設問題を協議する「沖縄関係閣僚会議」の初会合を開き、辺野古移設の日米合意を確認した。
 今、アメリカが日本政府に圧力を強めている背景には、海兵隊のグアム移転をめぐる米議会での審議が12月に山場を迎えるからだ。今年6月に開かれた日米安保協議会(2+2)で、米側は辺野古への新基地建設の加速を求めたが、その数日前に米上院のレビン軍事委員長らが辺野古移設などの在日米軍再編計画を「幻想だ。実行できない」と痛烈な批判を公表し、海兵隊のグアム移転関係費の全額削除、計画の全面的見直しを求めていた。追いつめられた米政府は、「普天間移設の目に見える進展」で局面を打開しようと焦っている。12月には米国防総省の議会への予算要求が行われ、来年5月ごろには予算審議が行われる。海兵隊のグアム移転経費は当初の予想を大幅に超えて膨らんでおり、米議会で現行計画の見直しを求める声が出るのは、巨額の財政赤字を背景として国防予算の削減が課題となっているからだ。
 政府が出そうとしている環境影響評価書には工事がジュゴンの行動に与える変化や米軍機による騒音などを予測した結果のほか、講じる対策の効果が記される。今後、評価書が提出されれば、沖縄県知事は滑走路については45日以内、埋め立ては90日以内に意見書を提出し、政府はこれを踏まえ埋め立てを沖縄県知事に申請できるようになり、辺野古への移設手続きは大きく「前進」することになる。日米両政府は来年後半には知事の許可を得ることを目標にしている。さらに安全上の問題をはらむMV22オスプレイ配備という「おまけ」まで付くのだ。
 2009年の総選挙で「最低でも県外」と明言した鳩山首相は、米国・財界・官僚などの圧力で、まもなく腰砕けとなり、「普天間の辺野古移設日米合意」を結び、連立政権は崩壊した。あとを受けた菅首相は「3・11」後の震災対応などもあり何もしなかった。アメリカはこの2年間の普天間問題の進展のなさにいらだっていたところ、「対米従属度」が高く、安保・原発・増税など右派シフトが目立つ野田政権に一挙に圧力を加えてきた。
 2009年9月の鳩山政権の誕生以来、2010年1月には名護市において移設反対の稲嶺市長が誕生、同年4月には10万人を集めて「国外・県外移設を求める県民大会」が開催され、知事をはじめ超党派の結集が実現した。同年秋の県知事選挙でも沖縄県民は普天間基地県外移設を選択した。
 沖縄県民の総意が県外移設という中、日本政府の評価書提出は、露骨な沖縄県民無視である。仮に政府が知事に評価書を提出しても、県外移設を主張する沖縄県知事のもとでは許可は得られないのは明らかで、再び沖縄県民の怒りは燃え上がるだろう。政府は直ちに辺野古移設の日米合意を見直し、評価書提出を見送るべきだ。
中村伸夫(憲法を生かす会・神戸)
中学校給食実施へ向けて
学校給食の教育的役割
 鯨の肉、脱脂粉乳、コッペパン、カレー汁……、何でも美味しく思えたあの頃の学校給食。戦後の食糧事情の悪い頃に、子どもの栄養改善を目的にはじまったそうだ。あれから数十年。一見豊かに見える食環境。しかし、どうだろう、本当に豊かになったのだろうか。偏食、個食、孤食、朝食欠食、不規則な食、過度なダイエット、肥満、若年性生活習慣病……。私たち、とりわけ子どもをとりまく食環境は確実に悪くなっている。
 これではいけないと思ったのか、国は2005年に「食育基本法」を制定・施行し、「食育」を推進し、地域の特色を生かした学校給食の実施を取り上げた。また、2009年には、「学校給食法」を改正・施行し、教育活動の一環である学校給食の主な目的を「食育」に方針転換した。食の大切さや栄養のバランスなどを学ぶ「食育」が今日的課題となっている今、学校給食の教育的役割を改めて見直さなければならなくなった。
生徒たちの食にも格差
 以前、議会で中学校給食化が議題になった。「朝5時頃に起きて弁当を作ってバタバタ仕事に出かける毎日。それよりも親子で会話しながら朝食を摂る方がよっぽど絆≠ニやらは深まるのではないか」「生徒はもちろん、父親や祖父母が作っている家庭もあり、母親だけが弁当を作っている訳ではない!」「おかずは、前日の残り物に新たに玉子焼きが入るぐらい、あとは加工食品。栄養価なんて二の次のワンパターンの手づくり弁当」―こんな我が家の実態、働く親の実態を暴露し、反論したことがあった。
 神戸市では長い間、「母親の愛情弁当」や「親子の絆の深まり」を謳い文句に家庭弁当を基本とする姿勢を通してきたからである。しかし、この間、弁当を持って来られない生徒もいるという理由から弁当販売制度をほぼ全校で実施することになったが、平均利用率は1%弱。これには様々な事情があるが、生徒たちの中に食の格差≠生み出していることは確かだ。
神戸市も中学校給食化へ第一歩
 現在、19の政令市のうち、(次年度実施予定の)大阪市を含む14市が、自校・センター・親子・デリバリー方式など、何らかの形態で給食を実施しており、中学校給食化が推進されている自治体は、総じて全国の約8割にも及んでいる。
 過日、神戸市は、生徒・保護者・教職員・市民を対象に、「中学生の食生活と昼食に関するアンケート」を実施した。これは、長年、給食化を願ってきた者にとっては、大きな前進であり、大いに期待を抱かせることにもなった。神戸市は、遅ればせながらようやく一歩を踏み出さざるを得なくなった。年度内にも「検討会」の設置を考えているようだが、この「検討会」はあくまでも給食化を前提とした「検討会」でなければならない。この機会を逃してはならない。
神戸市会議員 小林るみ子
ユニオン文化の華を咲かせよう
 今年も武庫川ユニオンのフェスタが迫ってきた。出発は1992年、ペルー人たちを中心に国際交流フェスタとして開催。その後、16年続けてきた。食の交流にも力点を置いてきた。16年間よくぞ続いた、が感想だ。
 参加者は拡大の一途で300人に達するようになった。300人が食べ、飲んで、交流できる場を提供するのは大変な事だ。そして、主役はサルサバンドとなり、組合員は裏方に徹しなければならなくなってきた。
 16回目の総括会議で、フェスタは成功しても組合員に充実感がない、組合員主体のフェスタにしなければ、という声が出された。そこで2009年のフェスタで大きく変革することにし、名前を「武庫川ユニオン レイバーフェスタ」とした。結成15周年を記念してユニオン音楽隊ができていたし、劇団も細々と活動をしてきた。この2つのサークルがメインとなり、「組合員による組合員のためのフェスタを」と意気込んで開催した。学校分会の仲間はフェスタのために練習を重ね、当日はハンドベルの演奏をした。組合員の闘争報告なども取り入れ、これまでとは趣の変わったユニオンらしいフェスタになったと自画自賛している。昨年の第2回フェスタでは、一人一人の組合員が日頃作ってきた写真や絵手紙などの出展も行い文化祭へ一歩踏み出した。
 地域ユニオンの組合員は一人一人が異なる職場で働いていることが多く、組合員同士の交流、励まし合いがなかなか困難である。それを克服するのが、多種多様な組合員が集う場だ。武庫川ユニオンでは「ふれあい分会交流会」「音楽隊MKG3070」「随時結成される劇団」「やさしい労働法入門講座」「働く者の学習会」「機関紙編集委員会」「文化レクレーション部会」などがある。そして、まだあまり機能していないが、「脱原発部会」「青年委員会」などとにかく組合員が集まることを重視している。
 レイバーフェスタは大行事である。今年は珍しく多くのカップルが誕生、合同でお祝いのパーティーをしたいと企画をしているようだ。みなさんもぜひご参加下さい。
 日時=12月11日(日)午後2時▼会場=尼崎市立労働福祉会館▼参加費=1千円
小西純一郎(武庫川ユニオン書記長)