「新社会兵庫」 7月12日号
 炬燵から飛び降りた猫が骨折した。人間に飼われ本来の動物猫としてのリズムを失った猫に、何百万分の一かの確率で起こりうるという。ストレスが骨に変調をひき起こしてのことだという▼人間も動物である以上、自然の影響を受けて何千年、何百年をDNAでつないでできたリズムを持っている。いくら睡眠をとっても、昼夜が逆転する交代勤務は独特のストレスを蓄積させる▼交代勤務ではないまでも、サマータイムや休日曜日の振替えが取り沙汰されている。人間は自然的なリズムに加えて社会生活のリズムを持っている。そのリズムが変われば蓄積されるストレスはいかばかりか。企業の都合で我慢しろというのか▼今から60余年前の1948年から4年間、わが国でも、法律によって全国一律に(会社も、学校も、鉄道も、病院も)、時間が1時間早められたサマータイムが実施された。4年で取止めになったのは、身体の変調の訴えが大きかったのであろう。40年前にも、オイルショックだ、石油がなくなると大騒ぎがあったが、果たしていま石油はどうか▼原発推進というエネルギー政策の破綻をエネルギー危機にすり替え、節電という錦の御旗を押し立てる政治に楯を突くべきではないか。
沖縄防衛局は工事再開へ/ヘリパッド建設を許すな
沖縄・高江
 3月11日に発生した東日本大震災は、一瞬にして多くの命を奪い、各地に壊滅的な被害をもたらした。また、福島第一原子力発電所では許し難い事故が発生し、いまだ予断を許さない事態が続いている。16年前に阪神・淡路大震災を経験した私たちが、復旧・復興に際して訴えてきたのは、企業・経済が優先で生活する者に視点があたっていないという問題であった。
 東日本大震災の被災地および被災者の声が尊重され、一人ひとりの命が大切にされる復興へ全国的な取り組みが求められる。まさしく憲法理念を実現していくことこそが被災地及び被災者の本当の復興につながっていくのだということを、阪神・淡路大震災を経験した私たちが発信していかなければならない。
東日本大震災と沖縄
 東日本大震災では、在日米軍は「トモダチ作戦」と称して、海軍、海兵隊、空軍の統合軍の形態をとり、1万8千人を超える将兵が支援活動を行ったとされている。災害支援そのものを否定するものではないが、自衛隊も含めて「軍隊」は、戦争のための訓練を実施しているのであり、その装備も基本的に戦争行為を行うためのものである。自然災害への訓練や装備は整っていないのが現実であり、改めて軍隊ではない災害救助体制の構築こそが求められる。
 ましてや、在日米軍は今回の「トモダチ作戦」を利用して、「普天間基地の位置が、第3海兵遠征軍の災害対応活動に極めて重要であることが証明された」(3月14日)、「普天間基地が本土に近いことは極めて重要」(3月16日)と発言するなど、普天間飛行場が沖縄にあるため、震災への対応が効果的に実施できていると放言している。支援活動を利用し、県内移設への理解を日本国内で深めるため、普天間飛行場の「地理的優位性」や在沖海兵隊の存在意義などをアピールする姿勢は到底許されるものではない。
ヘリパッド建設強行に全国から反対の声を
 こうした懐柔策とは裏腹に、沖縄北部の東村高江では、96年のSACO合意で海兵隊の北部訓練場の北側半分の返還との引き換えに南側6カ所にヘリパッドを建設する計画が強行されている。
 計画されている6カ所のヘリパッドは高江の集落を取り囲み、集落からわずか400メートルしか離れていない。今でもヘリコプターの爆音に苦しめられている住民は、07年から反対運動に立ち上がり建設を阻止してきた。
 防衛省・沖縄防衛局は昨年12 月22 日未明に工事再開を強行し、現地では以降、24 時間体制での阻止行動が2月末まで続けられてきた。こうした工事強行は、ヘリパッド建設が辺野古への基地建設と連携していることや来年には普天間基地にオスプレイの配備が決定しており、そのための訓練場建設が急がれているためである。
 昨年末から強行されたヘリパッド建設工事には、連日100人規模の作業員、防衛局職員が動員され、住民を威圧しながら、チェーンソーでの樹木伐採や基地建設進入路整備のための土壌搬入作業がおこなわれた。それでも住民の闘いによって工事の進行をくい止めてきた。そして、沖縄防衛局は、3月から6月は国の天然記念物の絶滅危惧種ノグチゲラが巣を作る期間なので、重機を使った工事を控えるとして重機類や機材を撤去した。
 しかし、北澤防衛相がヘリパッド建設などのSACO合意を先行的に実施すると表明しており、ノグチゲラなどの営巣期間が終わる7月からは工事の再開は確実といえる。防衛省・沖縄防衛局はこれまで以上の強硬手段をとってくることが想定される中で、地元住民をはじめとする反対運動が大きく展開されることになる。
 高江の住民をはじめとする沖縄の仲間と連帯し、全国から政府に対してヘリパッド建設を許さない大きな運動を作りあげていかなければならない。
森 哲二(平和運動研究会)
「脱原発」を考える
 原発問題って何か難しそう…と、自分のなかではずっと後まわしにしてきた。今度の震災と事故をきっかけに、やさしい資料など読んで、にわか勉強し、ちょびっとだけわかったつもりになっている。
 思うのは、誰かが犠牲になったうえで、私が普通に、のんきに生活できているということ。原発は全部、いわゆる「田舎」に建っていて、そこから来る電気はあたりまえのように使いながら、私は大きな街に住み、原発を遠いことのように感じている。
 まして、原発で働いている人たちのことなんて、考えたこともなかった。これを書いている現在、福島原発で復旧作業中に、基準値の限度を超えた被ばくをした人は9人になっている。東電の内部被ばく検査にあたり、身元を確認できない下請け労働者が30人程度とか。就業場所を偽った求人で、福島原発で働かされた日雇い労働者もいるという。
 それ以前に、通常の定期点検も、不安定雇用の下請け労働者が担っていて、被ばくせずには仕事にならないということも知った。でも、被ばくが原因とみられる病気や死亡の実態は広く知られることはなく、安全=Aクリーン≠強調した宣伝がたれ流されてきた。原発って、労働者の命を削って電気をつくるところだったんだ、と思った。
 今、脱原発を望む人がたくさんいるだろう。働く人を殺して動かす原発の廃止が、社会的立場の弱い人たちを切り捨てる差別のしくみそのものをなくすことにつながってほしい。
 年間被ばく線量が引き上げられたのも、差別のしくみにのっかって世の中がまわっているからだ。そしてやっぱり、より弱い立場の子どもをいちばん危険にさらす。学者やメデイアもまきこんで、都合の悪い事実は隠し、反対意見はつぶすか、無視する。
 だまされ続けないように、物事は自分でしっかり考えないといけない。どうでもいい情報は何もしなくてもそこらじゅうから飛び込んでくるが、本当のこと、大事なことは、努力して近づかないと、いつまでもわからないままだ。
 差別のしくみで得をしている人たちは、命よりお金が大事だろうから、それとは全く逆の価値観で生活することも世直しになるだろうか。デモで声をあげる行動もいいけど、そんなさりげない行動もありだと思う。
 私はここ何年か、テレビ、冷蔵庫、洗濯機なしで暮らしている。別にさりげに世直ししたいわけでなく、そういう生活にあこがれて勝手にやっているだけなんだが。
(垂水あけびの会 T・N)
東亜外業が不当な指名整理解雇
 東亜外業は神戸市兵庫区に本社があり、大口径の溶接鋼管の製造と配管工事などを行う会社である。
 会社は6月25日、「業績不振に伴う操業休止による事業縮小」を理由に、播磨町にある東播工場の従業員28人を指名整理解雇した。
 それに先立つ今年1月20日、会社は組合への協議もないまま、「4月から工場を休止する。残務業務に必要な人員20人を除く65人の希望退職を募集する」と、突然の人員削減計画を発表したのである。
 会社は、組合の再三にわたる団体交渉要求に一切取り合わず、兵庫県労働委員会のあっせんも拒否。その後、不当労働行為の救済申立てを経て、ようやく3月に団体交渉に応じたのだが、「希望退職募集については団体交渉をする必要はない」「4月1日からの工場休止方針は決定事項」「余剰人員は整理解雇する」と豪語したのであった。
 3月末で37人はやむなく希望退職に応じたが、会社は残る28人に対して指名解雇を行ったのである。
 この解雇は、業績悪化を理由に工場部門だけを切り捨てようとするものである。しかも、はじめから残留従業員を内定しておいて、あかし地域ユニオンに所属する組合員を中心としたほかの者を指名解雇するという悪質きわまりないもので、整理解雇4要件のいずれをも満たさない極めて不当なものである。
 組合結成後、これまで東亜外業の仲間の支援を行ってきたが、今回、大量指名解雇という事態に至ったことに激しい怒りを覚える。それに、解雇者28人中26人が組合員であるという事実が何を示すかは明白である。
 6月27日、組合員は就労するために工場に向かったが、早朝にもかかわらず大きな鉄の門扉が閉鎖され、締め出されたのであった。本社の社長室も内側から鍵をかけるという対応であった。
 私たちは、解雇の撤回を求めて裁判で闘う決意である。皆さんのご支援をお願いしたい。
西山和宏(あかし地域ユニオン委員長)