「新社会兵庫」 6月28日号
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- 福井県が、原子炉を設置する電力事業者に課税する核燃料税を12%から17%に引き上げることで関西電力などと合意したことが報じられた。福島の事故から県知事は点検中の原子炉については国による安全の保証がなければ運転再開を認めないと主張していたのではなかったのか▼関電は関電で、定期点検を終えた原発の再稼働ができなければ夏場に電力不足の恐れがあると、全顧客に一律15%の節電を求め、各方面から議論・反発を呼んでいる。関電の要請が、「原発の再開を認めろ。でなければおまえら、夏は暑いし不便するぞ」というごく不遜で高飛車な脅しであることは、誰でもわかる。要するに、原発を稼働させることについて、これだけの「フクシマ」を現に経験しながら自制・反省は何もないわけである▼腰が定まらず相変わらず不人気の菅首相だが、与野党問わずの菅降ろし、実は浜岡を止め、エネルギー転換を口にし、これまでの財界・政界の禁忌をおかしたからだという報道がある。菅を擁護する気もなければ続投してほしいとも思わないが、辻褄だけは合っているか。でも今までのように、この問題をどこか遠くでの「政治」の問題としておくことは、もはや許されない。
- 議会基本条例の制定に市民も監視の目と議論を
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先の統一自治体選挙で全国的に議会基本条例制定など議会改革が争点の一つとなった。議会基本条例とは、議会活動の最高法規と位置づけられ、首長が議案を説明し、議員は質問するだけというこれまでの地方議会のあり方を見直すもので、議会のあり方や議員の役割と責務などを定め、議会の活性化や改革の理念、内容を規定するものである。
全国的に初めてこの条例が制定されたのは北海道栗山町(2006年)で、その後、全国的に広がり、今年3月8日時点では、都道府県15、政令市4、市94、町51、村4、計168議会で制定されている。3月末制定見込みを含めると200を超える議会が制定済みで、全国の議会の約1割強が制定という状況だ(自治体議会改革フォーラムによる調査)。兵庫県内では、朝来市、洲本市、養父市、加西市、加東市、播磨町ですでに制定されている。さらに姫路市や三田市など10市町議会でも、昨年度中から条例制定に向けて特別委員会を設置するなど準備が進められている。また、6月11日から新任期がスタートした神戸市会や兵庫県議会でも条例制定に向け検討が始まろうとしている。
全国的に条例制定の動きが広まっている背景には、一つには2000年に施行された地方分権一括法により地方議会の権限と責任が大幅に拡大されたにもかかわらず、これに対応できていない議会への不信がある。地方議会は国会の議院内閣制と異なり、議員も首長も直接選挙で選ばれ、行政・議会による2元代表制をとっているが、これは行政・議会・市民3者間の緊張関係が適切に保持され、機能することを前提としている。しかしほとんどの議会では、この機能が働かず、朝日新聞の今年2月の調査では全国の地方議会のうち、首長が提案した議案をこの4年間で一本も修正や否決をしていない「丸のみ」議会は50%、議員提案の政策条例が一つもない「無提案」議会が91%、議員個人の議案への賛否を明らかにしない「非公開」議会が84%に達し、いずれにも当てはまる「3ない議会」は全体の3分の1に及んでいる。ちなみに兵庫県議会、神戸市会も「3ない議会」に含まれる。このような旧態依然としたチェック・批判機能が働かない議会の状況は、多くの市民にとっては議会が行政の追認機関としてしか映らず、存在感がなく、そこから出てくるのが「無関心」「議会不要論」「議会改革=まず定数・議員報酬削減論」である。
こんな中、議会基本条例が施行された議会では、質疑での一問一答方式の採用、執行部の反問権、議員間討議、住民への議会報告会などが行われた結果、議会への市民の関心が高まり、議会活性化につながっている。また議会基本条例を持つ会津若松市議会では、3年前に開催した市民との意見交換会で、議員定数や報酬見直しを求める意見が出されたことを踏まえ、今後の議会・議員活動のあり方を見定めながら、議員定数や報酬について議論してきた。公募の市民委員を含めた議会制度検討委員会や市民との意見交換会の開催、政策討論全体会での議員間討議などを通じてこの2月に最終報告が出されている(詳細は会津若松市議会HP参照)。
今後、神戸市会、県議会など県内の議会でも議会基本条例制定にむけた検討が始まっていくが、重要なのは制定までに至る経過だ。他議会をまねて制定したり、制定することが目的化しては真の議会改革にはつながらない。議員のみの密室議論ではますます市民から遠い議会改革になってしまうし、さらに制定過程での公開・透明性や議会としてのアピールがなければ、市民の理解は得られない。検討初期の段階から市民の意見を取り入れ、市民と議会の相互理解をめざすことが重要で、市民との対話集会やパブリックコメントの実施など市民の直接参画が必要だ。市民側も議会からの呼びかけがなければ、積極的に議会へ声をあげていくことが重要で、市民側の責任も重大だ。今後の条例制定に向け議論や監視を強めていこう。
中村伸夫(新社会党神戸市会議員団事務局)
- 私と女性会議
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I(アイ)女性会議(旧・日本婦人会議)は結成50年になった。私の会員歴も30数年経過した。妊娠中に「合成洗剤追放集会」に参加し、三重大学の教授から合成洗剤の発ガン性など危険がある事を知った時が始まりかもしれない。就職、結婚、出産と人生の進路も自己決定し(大げさな言い方だが)、女性学に出会い山川菊栄の本も読むようになり、須磨支部を立ち上げた。「良い保育所をつくる会」では、長時間保育ではなく、子ども・保護者・保育士の3者がともに安心して利用できる保育を実現させるべく学習会や交流会など忙しかった。みんな子連れで行動することが当たり前。集会等には必ず保育室をつくったもので、子ども同士も友達になり「○○ちゃん今日は来ないの?」と聞くなど家族ぐるみのつき合いだった。
阪神・淡路大震災後、首を切られた女性を囲んで「働く女性の交流集会」も始まった。正規・非正規の違いを越え、法整備の必要性を痛感。とりわけ差別される女性の低賃金や昇格問題は年金にも関係し、改善が急がれる。震災後のもう一つの運動として、補助金対象からはずされた朝鮮学校への支援に取り組み、オモニや女性同盟との交流も深まった。
平和問題では、「8の日行動」から、今は毎月第4土曜日、元町・大丸前で「戦争への道を許さない兵庫女たちのネットワーク」としてアピールを続けている。30年も前になるが、富士山の裾野にあった米軍の演習場に反対する「忍草母の会」の皆さんが神戸に来られて、軍事演習の中、弾丸の下での農作業の実態を訴えられ、基地の問題、女性の強さを感じたこともあった。須磨支部では、沖縄旅行の際に、婦人会議沖縄県本部や沖縄社会大衆党の役員から沖縄の基地に苦しめられている現地の声も聞いた。「歴史の歪曲を許さない」と題した『日本軍従軍慰安婦』に対する謝罪、誠意ある対応など日本政府の責任を追及する松井やよりさんの講演会開催以来、年に1度は平和集会を開催している。
女性の人権、男女平等社会の実現は、世界の課題でもある。1975年、「国際婦人年世界会議」が開催され、メキシコ宣言は「女性差別は人間の尊厳に対する犯罪」とし、「男は仕事・女は家」という性別役割分業体制の打破、政策決定の場へ女性の進出を、との行動提議がなされた。女性の憲法と言われる国連の「女性差別撤廃条約」は女性に対するあらゆる形態の差別撤廃を謳っているが、撤廃委員会は日本政府に対し、条約の認知度アップ、民法改正など法体系を変えるようにとの所見を出している。
50年の運動の成果はいろいろある。教育・介護・医療などの問題にも取り組んだが、社会は悪くなっているのではと思うことも多い。会員が高齢化するなか、若い世代とのつながりを模索するとともに、50年前に兵庫の地で女性解放の運動に取り組んだ先輩から当時の苦労話も聞きたいと思う。
(加納花枝)
- 但馬ユニオン結成から1年
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昨年3月26日、豊岡市民会館で但馬ユニオンの結成大会が行なわれてから早1年が過ぎた。
この1年を振り返ってみると、「豊岡自動車教習所」(以下、「教習所」)の問題で議論が始まり、今日に至っている。この「教習所」に但馬ユニオンの組合員であるAさんが勤務している。
「教習所」はもともと豊岡市営だったが、05年に東播自動車教習所に売却され、現在では完全に民営化されている。民営化の過程で出された、豊岡市からの「健全な経営を要請する」という文言が残っているが、現在、「教習所」は「健全な経営」ができているのだろうか。否である。健全とは程遠い「劣悪な労働条件と人権侵害」の職場だと断定せざるをえない。
その職場実態は……。第1に、勤務時間の問題。1日の勤務時間は8時40分から17時30分だが、実態は8時過ぎから洗車等が指示されている。しかも1週間の勤務時間が48時間になり、毎日の始業前の作業がサービス労働になっている。さらに、繁忙期に入ると1カ月あまりの期間、週休等1日も休みがない。
第2に、パワハラ、人権侵害の問題。公安委員会に「通報があった」と、どんな内容かも明らかにせずに犯人はAさんだと決め付けている。また、朝礼の席などで「この会社には必要な人と、辞めてもらいたい人がいる」とか、「本社(播磨町)に行ってもらうかもしれない」など、Aさんを職場から排除していこうという姿勢は明らかである。
第3。就業規則も明らかにせず、有給休暇も何日あるのか誰にも知らせていない実態がある。
職場の他の人も会社のやり方はAさんを辞めさせようとしていると感じているようだ。
Aさんは、会社がもう一度解雇を匂わせたり、配転を命じたら闘おうという意志を固めている。また、周囲の仲間にも自分の立場や考えを明らかにして理解と協力を求める努力をしている。
但馬ユニオンではいつでも交渉ができるように準備をしている。この闘いにユニオンの今後がかかっている。全力で取り組む。
岡田一雄(但馬ユニオン委員長)
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