選挙

【統一自治体選挙前半戦】
神戸市会は1議席死守
新社会党には厳しい結果

2023/04/26
神戸市会/ あわはら富夫さん10選 小林、さかい、高橋3氏は届かず
県会/支持の丸尾まきさん6選

丸尾まきさんあわはら富夫さん


(写真説明)左:丸尾まきさん 右:あわはら富夫さん

 3月31日告示、4月9日投開票で行われた第20回統一自治体選挙の前半戦で、新社会党兵庫県本部(粟原富夫委員長)は、県議選(定数86)では尼崎市選挙区(定数7)で丸尾まきさん(無所属・現)を支持し、神戸市議選(定数65。前回より4減)では灘区選挙区(定数6)の小林るみ子さん(現)、中央区選挙区(定数6)のあわはら富夫さん(現)の2人を公認として、須磨区選挙区(定数7)のさかい大起さん(無所属・新)、垂水区選挙区(定数9)の高橋ひでのりさん(無所属・現)の2人を推薦して闘った。結果、県議選の丸尾さんは3位で5期目の当選。神戸市議選では、あわはらさんは5位で10期連続当選を果たしたが、小林さんは次点に終わり6選はならなかった。推薦のさかいさん、高橋さんはともに健闘したが、それぞれ9位、14位と届かず、高橋さんも議席を失うなど、総じて厳しい結果に終わった。県議選の投票率は県全体で39・01%(前回38・64%)、神戸市議選は40・58%(前回39・98%)といずれも過去最低だった前回をやや上回るだけに終わった。

 前半戦の最大の特徴は、県議選、神戸市議選とも日本維新の会が大幅に議席を増やしたことだ。
 維新は、大阪での勢いに乗って兵庫県でのさらなる党勢拡大をめざし、候補者を数多く擁立。県議選では27選挙区に30人を立て、都市部を中心に21議席を獲得(前回9議席)、現有4議席から17議席を増やした。
 神戸市議選(定数は東灘区、北区、垂水区、西区で各1減となり65に)でも9選挙区のうち、長田区を除く8区で複数の候補者を擁立するなど21人を立てて9選挙区で15議席を獲得した(前回から4議席増)。
 党派を問わず新人の進出が目立ったことも特徴のひとつで、世代交代を印象付けた。
 近年、国政選挙の選挙結果の傾向が県議選、政令市の市議選にも同じように表れてきており、候補者の所属政党で投票先を決めるような投票傾向が目立つ。こうして、国政選挙で勢いを得た政党が自治体選挙でもさらに力を増し、一方、国政選挙での退潮が自治体選挙にもそのまま表れてくる状況も見える。こうしたなか、小政党や無所属候補などがそのあおりを食い、苦戦を強いられてきたが、今回、新社会党の公認や同党が推薦する無所属候補には厳しい結果となった。








(2面につづく) * * *

 

 このなかで、中央区のあわはら富夫さんは「とことん市民とともに」のモットーそのままに、日常から地域を活発に歩き回るなど地域に密着した活動に取り組みながら、議会でも「つなぐ議員団」の幹事長として市民の目線と立場に徹した鋭い論陣を張るなど精力的な議員活動を努めてきたことで得た信頼感を源泉に、前回よりも約800票を減らす苦しい闘いとなったが地力を発揮、議席を死守した。  灘区の小林るみ子さんは、「女性の目線で市政をチェック」をモットーに、日常から土曜日の独自の街頭宣伝行動などで、コロナ禍のなかで脆弱さを実感した医療・介護体制の拡充や、不登校や引きこもりなど生きづらさを抱えている人びとへのサポートを訴えその充実に取り組んできた。今回はそれに加え、市民と共に取り組んできた王子公園再整備問題についても訴えたが支持を広げきれず、前回より約800票を減らして次点に泣いた。
 須磨区で16年ぶりの議席を回復しようと、地元の新社会党須磨総支部をはじめ、灘区、中央区以外の同党の神戸市の総支部が力を集中して支えた 33歳の無所属新人・さかい大起さんは、出遅れをカバーするほどの連日の駅立ちや街頭演説を精力的に展開。その子育て支援・教育に関する無料化政策などに共感した若い人たちからの声かけも日々増えていくなど、手応えを強めていったが、健闘及ばず議席に届くことはできなかった。
一連の結果を受け、党県本部は今後、党の再建と新たな出発に向けた抜本的な総括議論を進める。
(写真説明)連日、力の限り訴え、歩き、闘い抜いた候補者たち。10選を果たしたあわはら富夫さん(右上)、小林るみ子さん(左上)、さかい大起さん(下)=いずれも神戸市内