ひょうごミュージアム

ひょうご 碑物語
『宮水発祥の地記念碑 (西宮市久保町)』

2020/02/25
 灘五郷の酒づくりに欠かせないのが宮水。夙川の伏流水と六甲山系の花崗岩を通り抜けてきた水に海水が微妙に含まれることで、酒造りに好適な水になるという。
 その宮水は1837年(天保8年)、山邑太左衛門によって発見されたとされる。山邑家は当時、西宮と魚崎で酒造りをしていたが、魚崎よりも西宮のほうが常に良質な酒が出来ることに気づいた。試しに西宮の梅の木蔵の井戸水を魚崎に運んで酒造りをしてみたところ、西宮と同じ様な良質な酒が出来たことから、西宮の水を魚崎まで運んで酒造りをするようになった。この噂は周辺に広がり、井戸をもたない酒蔵に宮水を売る「水屋」という商売も生まれた。
 この「梅の木井戸」が宮水発祥の井戸として今に伝えられている。
  ちなみに、「宮水」とは「西宮の水」を略して呼ばれるようになったもの。
 この記念碑近くの酒蔵通は、2月の蔵開きを待ちかねた日本酒ファンがつめかけ、蔵めぐりを楽しむ人びとで賑わっている。
【メモ】西宮市久保町3。阪神西宮駅を南に10分。
写真:酒造りをしていた西宮の山邑家の「梅の木井戸」が宮水発祥の井戸として伝わる
2020年2月25日号