新社会兵庫ナウ

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2022/08/10
会計年度任用職員の不当解雇をめぐって
 この欄でこれまで2回にわたって報告してきた会計年度任用職員の不当解雇撤回闘争に関して、S市教育委員会の不誠実な態度に対し、県労働委員会に救済を申し立てて約1年が経過しようとしている。
 6回の調査を経て、県労委から現在、合意書を取り交わすことで申し立てを取り下げることが提案されている。こうした提案を受けるのは2回目であるが、今回は「ユニオンが申し出た場合は、本件にかかるハラスメントの再調査を行い、その結果を説明する」等の条件を市教委側に提示している。しかし、根本的な部分で市教委は「解雇は正当であり、手続き面においても問題は無い」とする姿勢を改めようとはしていないので、この提案を受け入れることはできなかった。
 市教委側からの反論にユニオンは「組合員の身分回復が成し遂げられなかったことから、団体交渉を不誠実として納得がいかない」としている、といった主張が認められた。馬鹿にするな、と言いたい。この主張に対しては、「一般的に、組合員が解雇された案件であっても、団体交渉において使用者側から一定程度納得のいく解雇理由等が回答されれば、ユニオンは身分回復が遂げられなかった場合でも争議を収束させる。仮に、被申立人が主張するように申立人が『身分回復が遂げられなかったから』といった理由でもって労働委員会に救済を申し立てるのであれば、救済申し立て件数は年間数件に上ることとなるが、現実にはそうはなっていない」と反論した。
 また、市教委は、「地方公共団体として、当然ながら法律、条例、その他規則等に即して行動するものである」として手続きに問題が無いので本件解雇は正当であると主張するが、「手続き面において問題が無ければ、何をしても良いというものではない」と県労委に申し立てた。
 こういったS市教委の、ユニオンに対する偏見や団体交渉についての理解不足によって県労委の調査が長引いているが、私たちはいずれ県労委より正しい判断が下されるものと期待し、併せてS市教委を追い込んでいく行動についても計画している。
細川雅弘(姫路ユニオン委員長)