新社会兵庫ナウ

おんなの目(2022年3月23日号)

2022/03/23
「もう年やから…」は禁句
 
 4年前に96才で亡くなった母の口ぐせは、「みんなはしんどかったら、なんですぐに『年やから』とか、『しゃあないなあ』と言うのかな?そんなん言い訳にせんと運動したらええのに。努力したらええのに。もうそれを聞くのがイヤや」。その時は同感やわと思いながらも、ああ、また同じことを言ってるわと思っていました(笑)。ちなみに母は80歳過ぎまでランニングを続け、90歳まで地域活動に勤しんだ人でした。
 今、私自身が高齢になり、当然知り合いも高齢者に。頻繁に聞こえてくるのが、あの「年やからなあ」です。そして私は母と同じことを思っているんです。聞きたくないな。だからなんなん?そんなことのせいにしとったらアカンわと(笑)。
 もちろん私も年波には勝てないことはいっぱいあります。もう嫌になるぐらい大事なことを忘れるし、ウッカリは多いし、耳は聞こえにくいし、疲れやすいし。それらは現実のことで受け入れるしかないとは思っています。でも、「年やから」とは言わずに、それよりもその今の自分ができることをやっていきたいと思っています。
 私は毎日のようにスポーツジムに通っています。このコロナ禍でも。そこに行くと、たくさんの老若男女、高齢者、とりわけ後期高齢者以上の女性の方でいっぱいです。私はその人たちからいつも「元気」をもらっています。しんどいときなど、彼女たちを見ていたら、ああ、まだひよっこの私はがんばらんとなあと思います。
 彼女たちは快活にしゃべり、「もう来るだけで精一杯や」「今日はしんどいからお風呂だけや」などと言いながらも毎日がんばって来てはります。もちろん時々、あの「また忘れもんしたわ。もう年やな」「もうアカンなあ。年やな」が聞こえてきますが……(笑)。お互いに「おかしなこと言ったり、してたら教えてよ」と言いながら翌日も。もちろん高齢男性もがんばってはります。静かに筋トレ、ランナーで走ったり歩いたり。最近はヨガやエアロビクスへの参加者も増えています。
 ぼやきながらでも、静かでも、自分で動ける体でいたいと思って自分なりにコツコツと動かす。体を動かすと脳も活性化します。しかも、やっぱり運動すると気持ちがいいから続くのだと思います。私自身がそうです。
 話は戻りますが、私は彼女たちのにぎやかなおしゃべりを聴いているのが楽しいです。彼女たちが今快活なのは、それまでは仕事、子育て、孫の世話、親の世話といっぱい苦労してきて、今やっと自由な時間ができたからではないでしょうか。実は、今の彼女たちの悩みは、家でじっとしている夫のことやとよくボヤいてはります。該当されている男性は彼女たちの楽しみを奪わないようにしてほしいですね。お互いに元気でないとできないことなので。
 私は地域で高齢者に「体操」を教えていますが、参加者はコロナ禍でもみんな元気です。やっぱり大切なのは、体力・免疫力アップですね。お互いに「年やな」と言わずにがんばりましょう! (新原三恵子)