新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ 374

2021/08/10
「後期高齢者医療保険制度」改悪は許さない
 
 この1年、私たち熟年者ユニオンはまさに「コロナとどうつき合うか」の日々だった。
 表面は「毎日が日曜日」の私たちだが、思うように動けないもどかしさは現役労働者と同じだ。
 神戸市に対する敬老・福祉パス見直し反対のたたかいは署名集めと市議会への請願、陳情となった段階で、「神戸市内にコロナ感染患者が発生した」と議会(総務財政委員会)も一時中断する事態になるなど、私たちの盛り上がる機運に水をさすこととなった。
 収入の大部分、いや、ほとんどを年金に頼っている私たちは、安倍前首相が唱えた「全世代型社会保障改革」を見逃すわけにはいかず、年金・医療・介護・生活保護の改悪に反対するたたかいとして、コロナが沈静化するのを見計らって専門家を招いての講演会を計画し実行してきた。しかし、これも実施場所や日時を変更しながら、3回予定の連続講演会を1回目(介護保険)、2回目(年金制度)を終え、3回目(生活保護)を計画したところで中止せざるを得なくなった。コロナ禍で生活困窮者が増え続けている今、多くの人たちと共に掘り下げた学習をする機会になればと期待していただけにたいへん残念だ。このテーマについての講演会はあきらめずに計画を練り直して実行に移していきたい。
 「後期高齢者医療保険制度」改悪法は、「緊急事態宣言下だから不要不急の行動は差し控えるよう」と言いながら、不要不急の法律を、国会の会期末に十分な議論抜きに、しかも当事者抜きで成立させた。全国からの高齢者が国会を取り巻くデモが行われていても不思議なことではないが、コロナを逆手にとって姑息にも成立させたのだ。この法律は2008年にできたが、発足当時から理念なきその場しのぎの制度であり、「根本的な解決にほど遠く、いずれ破綻するだろう」と予想されていた。「団塊の世代が後期高齢者に達するので手直しする」と政府は言うが、発足当時から分かっていた。場当たり的でその場しのぎの言い逃れだ。
 私たちはいまこの法律に対してはこれは廃止すべきだとする基本的な方向を確認し、来年秋に実施されようとしていることに対するたたかいを組み立てていきたい。 加納功(熟年者ユニオン事務局長)