新社会兵庫ナウ

おんなの目(2020年9月8日号)

2020/09/15
繋がることをあきらめない 
 仕事、子育て、介護、家事……女性の暮らしはただでさえ忙しいのに、そこへ加えて新型コロナ。
 職場で集まる、地域の活動で集まる、友だちと集う、親戚と集まる……いろいろな集まり、いろいろな繋がりをあきらめることが多いが、もったいない、あきらめたくない、どんな工夫をすればどんなことができるか、とここ半年考え取り組んでいる。
 昨年の春に退職し、少ししてからその職場の組合の非常勤書記になり、特別執行委員にもなり、主要な会議に入らせてもらっている。
 緊急事態宣言後、職場の仲間は隔日の交代勤務になり、たいへんな激務に。そんな中で役員のみんなはどうも「今は何もできない」と思いこんでいるふう。「LINEで会話や会議しない?しようよ」と私。「それから、ニュースを毎週出すわ。情報も行きわたってないだろうし、組合員の気持ちや声も載せたいし。4月に全国異動させられて帰省すらできない仲間にも送りたいし」との希望も通させてもらった。全員出勤に戻った頃には、今度は「WEBじゃなく、リアルに集まれないかな?会社の会議とかは何人くらいでどんな方法でしてるの?参考にしてさらに衛生面を工夫してやってみない?」と。「通勤電車は密なんだから、何でもありやん」などと乱暴なことは絶対に提案したくない。でも、なんとなく無理……と集まることをあきらめていたら労働組合は死んでしまう……というのが本音だった。様々やってみたら、分会役員も組合員も元気になったし、他県に異動した仲間からホッとした、うれしかったの声もたくさんもらった。
 長年、党費や会費だけを納めてきた新社会党や地域のユニオンの活動にも昨年から少しずつ関わるようになった。活動が好きでたまらない……わけじゃないけれど(笑)、社会の理不尽に立ち向かう活動は自分が人間らしくいられる瞬間だし、人との繋がりを感じる場でもある。細々とでも一生携わっていきたいと思う。
 一方、昨年は以前に比べて自分の時間が持てるようになったので、高校時代の友だちと近場に「遠足」と称して日帰りで出かけて自然に触れたり、美味しいものを食べたり。コロナ後は専らLINEで他愛のない話や近況を5人で日々交わし、最近になり再び近場の友だちとのリアル交流を再開したところだ。
 思えば、在職中、組合活動が忙しすぎて疲れ切っていて、学生時代の友だちとのゴハンを食べながらの軽い会話での集まりを日程に入れるのがきつくなってきて、もう疎遠でもいいかな……と思ったこともあった。でも、大病をしたとき、温かい言葉を送ってくれたのは家族、職場の仲間に加え、その友たちだった。
 ある心理士さんが言っていた。軽い会話ができる相手、まじめな話ができる相手、趣味友、ゴハン友だちetc.いろいろなタイプの繋がりを持つのがバランスがいいのだという。
 まだまだコロナ禍の最中。だからこそ、工夫して集まること、いろいろな繋がりをあきらめたくないと強く思っている。
(森 正美)