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「マルクス『資本論』と21世紀の資本主義」
森田成也さんが講演
ひょうご社会主義ゼミナール2021

2022/01/19
大学講師の森田成也さんが21世紀の今日が直面している危機をどうたらえるのかについて問題提起を行った=2021年12月19日
 「ひょうご社会主義ゼミナール2021」が昨年12月19日、2年ぶりに兵庫区文化センターで開催された。
今回のゼミは、「マルクス『資本論』と21世紀の資本主義」と題して、昨年『「共産党宣言」からパンデミックへ』(柘植書房新社)を出版するなど精力的に活動する大学講師・森田成也さんが、無限の自己増殖運動を続ける「資本」がどのようにして自らの限界を突破し、変容を遂げてきたのか、そして21世紀の今日、直面している危機をどうとらえるのか、などについて講演した。講師の森田さん自身のフェイスブックによって講演のライブ配信も行われた。
 マルクスは『共産党宣言』以来の著作で、資本主義の廃絶と共産主義の到来の不可避性を明らかにしてきたが、現在はこうした必然論的な楽観を許さない状況にある。資本主義は、人間社会が存立可能な物質的・環境的条件を急速に破壊しており、本来は変革の主体と期待される労働者階級はアトム化、ゲットー化され、危機に立ち向かう凝集力が失われている。人類が資本主義を克服するのが早いか、資本主義がそれ自身と人類を滅亡させるのが早いのか、世界史的競争のなかに置かれているのが現在だ、と提起した。(門永)