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表現の不自由展KOBE開催
約100人のボランティアスタッフが協力  9.10&11

2022/09/27
右翼の妨害をはねのけ開催された「表現の不自由展KOBE」では「平和の少女像」も展示され注目を集めた=9月11日、兵庫県民会館
 「天皇制」や「従軍慰安婦」をめぐる表現が攻撃を受け、会場側から展示を拒否された美術作品などを集めた「表現の不自由展KOBE」が9月10、11日の2日間、神戸市内の会館を会場に同展実行委員会によって開催された。「歴史と女性の人権」をテーマに、内外の作家16人の絵画や彫刻、写真、映像など約25点が展示され、2日間で約760人が鑑賞した。
 不自由展には、韓国の彫刻家キム・ソギョンさんとキム・ウンソンさんが、旧日本軍の従軍慰安婦問題を題材に制作した「平和の少女像」も置かれ、像の隣の椅子に座ったり、像に直接触れることで思いを馳せたり、何かを感じ取ろうとする人たちの姿も多く見られた。このほか、表現の自由と平和の尊さを訴える作品なども展示・上映された。
 表現の不自由展は、2015年から市民らの実行委員会で大阪、東京、京都、名古屋とこれまでに開かれてきたが、各地で右翼などから妨害を受けてきたことを踏まえ、神戸展の実行委員会は、会場を非公開とし、事前予約制とした。それでも会場周辺には右翼の街宣車が集結して大音量で行進し、警察も交通規制を行うなど厳しい警備態勢を敷き、周辺にはもののしい雰囲気がつくられたが、会場内は大きな混乱もなく終わった。
 実行委員会では、平穏な運営を図るため、市民や市民団体・労働組合などからも協力を得て100人を超えるボランティアスタッフが参加して運営と警備にあたった。