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王子公園再整備計画
市民と神戸市の意見交換会
市民ミーティング・パート3に90人

2022/08/10
(上)約90人が集まった「パート3」の集会では市から説明を受けて市民が疑問や意見を出し合った=7月23日、動物園ホール
(下)11のグループに分かれてグループ討議=7月23日、動物園ホール

 王子公園(神戸市灘区)の再整備計画問題で、素案への市民の反発の大きさから素案見直しを表明していた神戸市が6月14日、見直し案(見直しに向けた「市の考え方と方向性」)を公表し、新たな局面に入った。見直し案にはリクレーション施設の検討やテニスコートの一部復活、立体駐車場の位置変更などが含まれるが、大学誘致自体に変更はない。この見直し案をもとに神戸市側も市民との意見交換会を始めたが、これまで2回にわたる市民ミーティングや署名運動、パレードなどに取り組みながら、「王子公園の未来は、みんなで決める」をスローガンに再整備計画に市民が参画することを求めてきた「王子公園・市民ミーティング」実行委員会(事務局・こうべ保健サービス)は7月23日、「市民ミーティング・パート3」として神戸市と市民が直接、意見交換を行う集会を王子動物園に隣接する動物園ホールで開いた。
 約90人が参加した集会では、司会の金丸正樹・同実行委員会事務局長が主催者あいさつとして集会の趣旨を説明したのち、今年1月16日に210人が集まった「市民ミーティング・パート1」を皮切りとした同実行委員会の取り組みの経過を実行委員会事務局の小林るみ子神戸市議が報告。
 その後、神戸市企画調整局の武田史郎副局長から「市の考え方と方向性」について概略的な説明が行われた。
 これを受け、参加者は11のグループに分かれて、短い時間ながらグループ討議を行い、市の再提案に対する疑問や意見を述べ合った。さらに各グループから出された主な疑問や意見が報告され、疑問点については市側から回答が行われた。
 以下はその中のいくつかの疑問や意見。
・大学の誘致について、土地は売却か、借地か?
・大学の開設予定はいつか?10年かかるかもと言うが、10年後には学生の動向や条件は今とは大きく変わってくるのではないか?
・パブコメでの声が多かったからと一方では遊園地を残すとしながら、同じくパブコメでは反対の声が非常に多かったのに、なぜ大学誘致の素案を変更しないのか?
・そもそも大学は教育機関。行政の安易な経済的理由で誘致しようとするのは本末転倒だ。
・高さ制限31mなら、狭いエリアに高層ビルが建てられる恐れがある。
・今の緑や桜などは必ず少なくなってしまう
・「大学はオープンスペース」と言うが、そんなことは可能か?
・「再整備」というが、実際は「再開発だ」
・これからは災害対策としての公園の役割は非常に大きくなる。大学誘致とは相容れない。……
 この集会でも大学誘致については参加者の少なくとも99%は反対であることが改めて明らかになった。
 実行委員会としては、今後、大学誘致反対にとどまらず、市の計画に対置する「市民がつくる原田の森」構想のようなビジョンを大衆的につくる運動をめざしたいという。