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JRの安全を問い続ける
ノーモア尼崎事故  生命と安全を守る4.29集会

2022/05/18
コロナ禍のために2年ぶりの開催となった「ノーモア尼崎事故」集会には雨の中、約80人が参加した=4月29日、尼崎市
 107人が死亡し、562人が負傷する大惨事となったJR福知山線脱線事故の発生から4月25日で17年。2度とこんな事故を起こしてはならないと、輸送の安全よりも営利を優先していたJRの経営体質を追及しながら安心・安全の輸送をと、事故後から「ノーモア尼崎事故 生命と安全を守る集会」を続けてきた同集会実行委員会は4月29日、今年の集会を尼崎市内で開いた。昨年はコロナ禍で開催を見合わせたため2年ぶりとなった集会には雨の中、約80人が参加した。
 集会で「コロナ禍で加速する駅の効率化・縮小―疎外される交通弱者と安全―」と題して講演を行った国労近畿地本執行委員の東幹男さんは、コロナ禍に乗じた効率化の加速を批判。経費削減のために委託駅、無人駅を拡大し、利用者によるセルフ化やデジタル化を進め、交通弱者が切り捨てられようとしている現状を具体的に報告した。
 つづいて、毎回この集会で分割・民営化後のJR各社 の運輸の実情などを分析し、問題点を指摘してきた安全問題研究会の地脇聖孝さんは、「限界に来た民営JR7社体制と再国有化の展望」と題して、非営利化・全国1社統合などを内容とする再国有化法案=日本鉄道公団法案なる政策についての問題提起を行った。
 遺族からの訴えや歌の演奏も行われた。脱線事故で体と心に傷を負い、自ら命を絶った一人息子への想いを母親が作詞したものを、その息子にピアノを教えていたピアノ講師が曲をつけた「桜の涙」だ。歌唱指導を受け、参加者みんなで歌った。
 その後、民営化された地下鉄など大阪市の公共交通の問題点や、建設中のリニア新幹線の問題点についての発言があり、全日建関西生コン支部とJAL非解雇者労働組合からは闘争報告と支援要請も行われた。