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新自由主義のエセ「改革」
「維新政治」を徹底検証
平和のつどい

2021/12/29
中山徹さん(奈良女子大学教授)がリモート講演で維新政治のポイントをとりあげ徹底的に検証・批判した=12月11日、神戸市中央区
 I(アイ)女性会議ひょうごが主催する恒例の「平和のつどい」が12月11日、あすてっぷKOBEを会場にオンラインも併用して開催された。今年のテーマは「維新政治」について。先の総選挙で大きく伸長した日本維新の会について、改めて「どういう政党なのか」「なぜ支持されるのか」「どんな層が支持するのか」などを詳しく知りたい、知らなければならないという切羽詰まった思いからの選択だった。講師は大阪都構想を厳しく批判してきた奈良女子大学の中山徹教授に依頼し、リモートでの講演となった。会場に60人が参加したほか、オンラインで95人が参加した。
 
 講演では、2008年に大阪府知事になった橋下徹氏が10年4月に「大阪維新の会」を立ち上げて以降の維新の経緯、大阪都構想の問題点、維新の経済・福祉・教育政策を貫く新自由主義の考え方、そして巧妙な世論誘導の方法などが具体的に語られた。
 会場からは「すごくわかりやすく、維新政治のひどさが理解できた」「具体的な事例で維新の悪いところをよくまとめていただいた」「『身を切る改革』ではなく民を切る改革だとよくわかった」など、大変好評だった。以下は講演の一部の概要。
 維新は、大阪市と大阪府の二重行政・無駄をなくすというが、実際には何にも無駄ではない。むしろ市と府の病院を減らしたために、大阪はコロナの死亡者が人口比で全国1位になってしまった。維新が大阪都構想にこだわるのは、大阪市という基礎自治体をなくし、大阪府に権限・財源を集中しカジノを誘致したいということに尽きる。こうした経済投資で「活性化」を図る新自由主義そのものだ。
 競争をあおる新自由主義は教育の現場では目を疑うような露骨な政策となっている。「チャレンジテスト」という大阪独自の一斉テストは生徒ひとりひとりの選別だけでなく、学校をランク付けするためにも使われ、そのため試験当日には成績の良くない生徒は休まざるをえなくさせられるという。その一方で定員削減や 民間委託によって浮いた財源の一部を保育所無償化や塾費の援助、給食無償化などに使って子育て層への宣伝効果を高めている。
 講演終了後には維新の伸長に対する危機感、「改革」の中身と真実を広げる必要性などについての質問や意見が多く出された。(門永三枝子)
 講演内容の詳細はアイ女性会議ひょうごの会報に掲載予定。
【問い合わせ先】090・9862・2095(門永)