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被爆、敗戦から76年の夏
改めて戦争の実相と今を考える

2021/08/24
 ヒロシマ、ナガサキの被爆、そして敗戦から76年の夏―。この時期、さまざまな団体などが被爆をはじめとした戦争の実相とあらためて向き合い、また加害の歴史をも顧み、2度と戦争をしてはならないとの思いを新たにするための催しなどに取り組んだ。関連の報道や番組も多く流された。神戸では神戸市原爆被害者の会が催す「原爆と人間」写真展が開かれ、明石でも恒例の「ピースフェスタ明石」が開催された。だが、そんな営みを傍らに、今年1月に発効した核兵器禁止条約に唯一の被爆国として署名・批准することを現政権は拒否し続けている。被爆地の思いとして、松井広島市長が6日、田上長崎市長が9日、それぞれの平和記(祈)念式典での平和宣言で、一刻も早く同条約に参加するよう政府に求めた。しかし、菅首相はこうした思いにいっさい応えることなく、広島の式典では「唯一の戦争被爆国であり、『核兵器のない世界』の実現に向けた努力を着実に積み重ねていく」などとする肝心な件を読み飛ばしても気づかず、長崎の式典には遅刻するという失態をさらけ出す有様だ。五輪の開催強行で、もはや「制御不能」とまで言われるほどの「爆発感染」を招いた無策のコロナ対応の政権に私たちの命とくらしは託せないばかりか、日米軍事同盟の強化にまい進し、戦争する国づくりを歩み続ける政権には日本の平和を守ることも委ねられない。