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兵庫区・薬仙寺で神戸空襲犠牲者合同慰霊祭
神戸空襲を記録する会

2021/04/13
50回目となった合同慰霊祭では馬場章子さん(89歳)が空襲体験を語った=3月17日、神戸市兵庫区
 第50回神戸空襲犠牲者合同慰霊祭が3月17日、神戸市兵庫区の薬仙寺で執り行われた。昨年につづき、今年もコロナの感染拡大に配慮し、遺族や関係者だけによる慰霊祭となり、31人が参加した。 
 慰霊祭では東灘区の馬場章子さん(89歳)から自身の空襲体験と戦争中の学校や暮らしの話を聞いた。馬場さんは、空襲のあった1945年3月17日の翌日、瓦礫だらけになった町と遺体の片づけに女学生も動員された経験を語り、その時に三宮の地下道で親とはぐれた小さな子どもたちが食べるものも無くうずくまっているのを見て、何もできない自分が悲しかったと話した。また、5月11日には当時は武庫郡だった東灘区の十二間道路を下校中にB29に追いかけられて必死に逃げ、何発も爆弾が近くに落とされていたのをあとで見たと語った。そして、二度と戦争をしないために今後も戦争の経験を語り伝えたいと述べた。
 慰霊祭では、主催の神戸空襲を記録する会が6月6日に予定している第19回戦跡ウォークの訪問先の兵庫区南部の戦跡を紹介する試作ビデオが上映された。1942年の最初の神戸空襲が中央卸売市場で犠牲者が出たこと、45年2月4日の兵庫区南部の軍需工場への爆撃、兵庫区と長田区は米軍の研究した焼夷弾の威力を試す実験場として使われたこと、そして3月17日の大空襲などが紹介されている。(小城)