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新型コロナ感染記(2021年1月19日 合併号)

2021/01/24
やっぱり大変な病気だ
 
風邪か、コロナか
 まさか自分がコロナウイルスに感染するとは思ってもいなかった。どこでどう感染したのかをよく聞かれるが、「そんなもん、分かるかいな」というのが正直なところ。仕事中なのか、どこかの飲食店でなのか、全く分からない。ただ言えるのが、仕事中も、飲みに行ったりする時も全くマスクをしていなかったことが、いま思えば悔やまれるところだ。とにかくメガネが曇るのが嫌だったので、電車等に乗る時を除いてマスクをしていなかった。もしマスクをしていたら……と思う。
 自分では体の調子が悪くなってきたのは10月21日頃だと思っていた(職場ではそれより少し前から調子が悪いと言っていたようだ)。
 当初、「ただの風邪やろ」と思って市販薬を飲むと症状は軽くなったが、風邪の初期症状である微熱が続く中、とにかくスッキリとしないまま仕事をしていた。ただ仕事をしていて感じたのが、年の初めにインフルエンザにかかった時と同じ症状の「太ももの疲れ」だった。その時、階段を3階まで上がると異様に疲れを感じていたが、今回もその時と同じように、3階まで上がると異常に足に疲れを感じ、「まさか、コロナと違うやろな」という思いで仕事をしていた。
 そして24日、たまたま仕事が休みだったので、保健所に電話すると、「病院へ」と言われ病院へ。病院ではPCR検査などはせず、レントゲンと血液検査をしたが「異常なし」で、コロナの可能性も低いという診断。「そうか、やっぱりただの風邪か」と思って帰宅した。
 
PCR検査へ
 翌25日、午前中は調子が良く、「やっぱり風邪やったンや」と思いながら、昼から買い物に行ったが、その時に嗅覚に異常を感じながらも、とにかく買い物を済ませ帰宅したが、だんだん体調が悪くなり、上司に翌日は休む旨を連絡した。
 そして26日、妻が香水の匂いがしないと言い始めたので、試しに匂いの強いものを嗅いでも全く匂いがしない。私からの感染が十分に考えられたので、陰性なのか陽性なのかを聞きたい思いで病院に行くと、やはりコロナの可能性は低いと言われ帰宅したが、体温を測ると13時には36・5度、21時には37・1度と体温が上がり出した。
 27日には37・5度になったので病院に電話すると、「今日の検査は終了しているので明日、来てください」と言われたが、自分としては「陽性」「陰性」のどちらなのか、とにかく聞きたいという思いがあったので、別の病院に電話を入れると、検査をするのですぐに来るようにと言われ、病院に行って唾液を採取した。
 
結果は、「陽性反応」
 そして、28日の昼過ぎに「陽性反応」の連絡があり、29日の午前10時にA病院に入院となった。もちろん妻も「陽性反応」で30日に入院となったが、この時点で26日に発症していた「嗅覚の異常」がなぜかなくなっており、無症状のまま、夫婦相部屋での入院となった(病院側の部屋の空きが少なくなってきたため)。
 親子3人暮らしだが、不思議なことに一緒に生活をしていた子どもは「陰性反応」で、私たちが入院してから1週間、不要不急の外出禁止となり、ひとり寂しい思いをさせてしまった。結局、子どもは11月15日まで学校にもアルバイトにも行くことができなかった。
 
入院生活では……
 こうして10月29日に入院したのだが、とにかく熱があり食事もまともにできない状態で、「このままやったらどうなるんやろ?」という思いがあったが、解熱剤を服用し続けると熱が下がり始め、何とか食事も採ることができるようになった。
 入院して数日後、久しぶりにシャワーを浴びると息切れがひどかったが、その後、翌日からは息切れも収まりだして普通にシャワーを浴びることができるようになった。
 解熱剤のおかげで熱は下がったが、今度は咳が止まらず、肺のレントゲン撮影をすると「少し陰り」があるということで、この肺の陰りを抑えるために「ステロイド」を服用したが、このステロイドの服用による血糖値の上昇を抑えるために「インスリン注射」を打つという処置。そして血中酸素濃度を上げるため鼻チューブで「酸素吸入」の処置も行った。
 その後、11月8日には「酸素吸入」と「ステロイドの服用」は終わり、「インスリン」も食事の前の血糖値の数値によって打ったり打たなかったりで、とにかく体の状態は健康そのものと自分では思っていたのだが、なかなか退院の許可がおりなかった。
 翌9日、担当医から「あと2日ぐらい様子をみましょうか」と言われ、11日の朝方、担当医からの「明日、採血をして肝機能に異常がなければ退院」という言葉を耳にしてホッとひと安心したが、正直なところ、結果が出るまでドキドキだった。しかし。肝機能に異常はなく、朝9時頃、退院の許可を得ることができた。
 
感染しての反省
 今回感染して気になったのが、「人のうわさ」だ。自分たちはまだいいのだが、子どものことが気になった。長期間休んでいたので、学校に行った時に周りから何かを言われたのでは……と思っていたが、「何もなかったよ」という言葉を聞いて本当に一安心した。
 また、ウイルスに感染したまま立ち寄った店には何日か営業をできなくさせてしまい本当に迷惑をかけてしまったが、店の人の「気にしなくていい」という言葉を聞いて少しほっとした。
 それにしてもこのコロナウイルス、「大変な病気」だし、「ややこしい病気」だということを痛感した。私自身どこで感染したのかもわからないし、誰が感染しているのかもわからないから本当に怖い病気だ。
 だから、少しでも体調が悪いと言う人には病院は検査をすべきだと思う。私も検査をしてくれなかったせいで、私と接触した人には「濃厚接触者」として仕事を休ませてしまったり、自由な生活をできなくさせてしまった。
 また今、差別を受けるからと言って検査を拒否する人や、会社が検査を受けないように指示を出しているということも耳にするが、私から言えばそのような人は「犯罪者と同じだ」と言いたい。  (Y・H)