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【11・3兵庫憲法集会】
“スガ強権政治”はNO! 寺脇研氏らがパネル討論 11・3兵庫憲法集会 憲法や民主主義を問う

2020/11/26
寺脇研、上脇博之、永井寿幸の3氏をパネリストに津久井進弁護士のコーディネートで進められたパネルディスカッション=11月3日、神戸市中央区

 日本国憲法公布から75年の11月3日、「戦争させない、9条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会」が呼びかける「戦争させない、9条壊すな!11・3兵庫憲法集会」が神戸市中央区の神戸芸術センターで開かれた。恒例の東遊園地での5・3兵庫憲法集会がコロナ禍のためにその開催が半年延期されていたもので、この集会ではコロナ感染対策のために、同センターをサテライト会場として入場者を定員の半分以下に制限する一方、YouTubeで広くライブ配信された。
 
 集会の開会に先立って行われたのは、ソウル・ゴスペルシンガーの新井深絵さんのミニコンサート。開会後の歌もあわせて、その力強い歌声に参加者は圧倒された。
 フリーアナウンサーの小山乃里子さんの軽妙な司会で進行した集会では、主催者あいさつを羽柴修弁護士(弁護士9条の会)が行い、安倍政権から菅政権へとつづく強権政治に、「民主主義はいま戦後最大の危機にあるのでは」と危機感を表し、『茶色の朝』という反ファシズムの寓話を援用して「今の日本も無縁ではない。『茶色(ファシズムを表す色)の朝』を迎えないために、思考停止をせず行動を起こそう」と呼びかけた。
来賓の桜井周衆議院議員(立憲民主党)の国会報告のあとは、集会のメインであるパネルディスカッション。「コロナ禍での憲法、平和、民主主義を問う」をテーマに、メインゲストの寺脇研さん(元文部科学省審議官)、上脇博之さん(神戸学院大学法学部教授)、永井幸寿さん(弁護士)の3人のパネリストが、津久井進さん(弁護士)をコーディネーターに、それぞれの専門分野からテーマに沿って発言した。
 寺脇さんは、コロナ禍のなかで子どもの貧困がさらに深刻化しており、いまや5人に1人が貧困だとする専門家の指摘もあると憂慮。また、菅首相の日本学術会議任命拒否問題に象徴されるように、いま日本の文化全体が危うくなっていることに危機感をにじませた。
 永井さんは緊急事態宣言について言及。「コロナの感染拡大のなかで国民が非常事態宣言を待ち望むような気運もつくられたが、緊急事態宣言で事態が解決すると考えるのは幻想であり、危険だ。緊急事態にはすでにある個別法で十分対処できる。災害や感染症対策の原則は、『準備していないことは出来ない』ということだ」と強調。
 上脇さんは、安倍、菅政権にみられる、立憲主義・法の支配・議会制民主主義を実質的に否定する一連の官邸主導の政治を強く批判し、日本学術会議の任命拒否問題も「戦争する国」づくりにつき進む一環で、危険な病理だと指摘。こうした政治を選挙で変えようなどと訴え、討論が続いた。


新井深絵さんのミニコンサート