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非核証明書提出せず 米艦船が神戸港入港
憲法を生かす会などが抗議行動

2025/03/24
米艦船が接岸する摩耶埠頭での抗議行動であいさつする粟原富夫・新社会党県本部委員長(後向き)=3月24日、神戸市灘区

 外国艦船の入港に際して非核証明書の提出を求める「非核神戸方式」が神戸市会で全会一致で決議された1975年3月18日からちょうど50年の3月21日、神戸市は非核証明書の提出がない米海軍掃海艇ウォーリアの入港を認めた。
 この50年間、米艦船の神戸港入港は一度もなく今回が初めて。新社会党兵庫県本部と憲法を生かす会・ひょうごネットは19日、非核証明書の提出を求め、提出がない場合には入港を許可しないよう神戸市に申し入れしていたが、神戸市は「核兵器を搭載していないことに疑いはない」との外務省の書面と米総領事館との直接の会談での確認だけをもって非核証明とみなし入港を認めたのだ。
 だが、今回の入港は、その時期や方法から非核神戸方式を切り崩そうとする日米両政府の意図が垣間見える。これが既成事実となって、今後、同じようなやり方が続けば、明らかに非核神戸方式は形骸化し、意味を失ってしまうことになる。
 この事態に対し、新社会党兵庫県本部や憲法を生かす会・ひょうごネットは24日朝9時から米艦船が接岸する摩耶埠頭(灘区)で急きょ抗議行動を行った。同じく抗議行動を同所で予定していた神戸港湾共闘との共催という形で共同の行動となった。
 約100人が参加した行動では、主催の両団体のほか、行動に参加した市民団体や市民が次々とマイクアピ―ル。「今回の入港を前例として既成事実化させてはならない」「神戸市への働きかけと市民の運動を強め、非核神戸方式を守ろう」などと訴えた。さらに、接岸した米艦船に向かい、「非核証明書を提出せよ」「神戸港から出ていけ」と抗議のシュプレヒコールを繰り返した。