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3・17に神戸空襲犠牲者合同慰霊祭
神戸空襲を記録する会

2023/04/26
【写真説明】今年はひさしぶりに一般参加もあり、高校生平和大使やサポーターらも参列した=3月17日、神戸市兵庫区・薬仙寺

 神戸空襲を記録する会が主催する第52回神戸空襲犠牲者合同慰霊祭が今年も3月17日、兵庫区の薬仙寺で開かれた。コロナ禍が少し落ち着いたなか、ようやく今年は一般の参加も呼びかけられ、約60人が参加した。
 司会は、今後の継承も考慮して前会長の中田政子さんの娘さんの馬場敦子さんが担った。また、今年は2022年度の兵庫高校生平和大使やサポーターにも参加を呼びかけ、会場には今までにない若い人の姿が目立った。ただ、一方で空襲体験者の姿が少なくなった。
慰霊祭は、犠牲者への黙祷、住職による読経、岡村隆弘会長のあいさつ等と進み、昨年に引き続き空襲体験者の井上義彦さんが、戦争当時の状況や空襲で父親を亡くしたこと、父の遺体を見つけた時の無念さなどを語った。
 また、「神戸の戦争孤児の記録を残す会」の白井勝彦さんが、神戸の戦争孤児の概要や、戦争孤児だった内藤さんの体験を紹介。戦争孤児の人々がなぜ長らく口を塞いできたのか、その厳しい体験から改めて考えさせられた。今、世界で起きている戦争や内戦の中での子どもたちの様子を思うと、辛く厳しく連なるものがある。
 慰霊祭では、6月4日の第20回戦跡ウォーク、7月30日の神戸空襲を記録する会のこれからを考えるシンポジウム、『歴史と神戸』6月号での中田政子さんと神戸空襲を記録する会の特集、さらに、神戸空襲での聴覚障碍者の体験をつづった絵本『手をはなしたらあかん―神戸空襲とおとうさん』の発刊のことなどが会の小城智子事務局長から紹介された。
 薬仙寺では3月17日〜19日の3日間、「井沢元晴 戦災スケッチ画展」も開かれ、空襲に遭った神戸の街を描いた絵104点が展示され、73人の参観者があった。(T・K)