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5.3兵庫憲法集会プレ集会
軍事力強化は国民負担に
防衛ジャーナリスト半田滋さんが講演

2023/03/22
(写真説明)180人が参加して岸田政権の大軍拡を批判する半田滋さんの講演に学んだ=3月7日、長田区文化センター
講演する半田滋さん


 「防衛力の抜本的強化」の名のもとに、「専守防衛」を逸脱して先制攻撃が可能になる敵基地攻撃能力の保有を含め、今後5年間で防衛費を対GDP比2%にと17兆円増の43兆円を計上するなどの大軍拡路線の推進を決めた岸田政権。こうした岸田政権の安保政策の大転換、「戦争国家」への暴走を許してはならないと、「戦争させない、9条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会」は、今年は1万人規模での開催を呼びかけている恒例の「5・3兵庫憲法集会」の成功に向けたプレ企画として3月7日、「5・3兵庫憲法集会プレ集会」を長田区文化センターで開き、防衛ジャーナリストの半田滋さんの講演に学んだ。集会には約180人が参加した。
 集会の冒頭、主催者を代表してあいさつした羽柴修弁護士(弁護士9条の会)は、「安保3文書」改定を批判し、ねらいは国家総動員体制の構築で、国民にその決意まで促していると内容の一部を紹介。戦争に向かって進むこの危険な道を阻止する運動の強化を、と訴えた。
 「敵基地攻撃と日米一体化 防衛費倍増は国民負担に」と題した講演では、半田さんはまず、「安保3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)改定の内容の解説から始め、敵基地攻撃能力の保有は、安倍元首相の退任時の談話をきっかけに、自衛隊と米軍の一体化と自衛隊の軍備増強をベースに自民党の悲願となり、国民をだまし続けてきた議論の果てだと指摘。敵基地攻撃は、集団的自衛権の行使を認めた以上は、先制攻撃にならざるをえず、その能力の保有は、抑止力を高めることにならず、東アジアの不安定化を呼び込むだけだと批判した。
 さらに、防衛費の対GDP比2%の問題についてもその内容を詳しく紹介。これまで政府が憲法上保有できないとしてきた大陸間弾道ミサイル、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母などの実質的な保有を自衛隊が進めていることを明らかにするとともに、日米軍事一体化のもとで米政府の意のままに兵器購入を進め、際限のない軍拡への道を歩み始めていると指摘し、この財源は、結局は税金に求めることとなって(最終的には消費税か)、国民の負担増となっていくと批判した。
 また、23年度防衛費予算で自衛隊の艦艇、潜水艦、施設建設に建設国債を充てることについて、巨額の国債発行が戦争拡大につながった戦前・戦中の歴史の反省を踏みにじるものであり、戦前回帰の道だとも批判した。
 最後のまとめとして、平和は軍事力でなく、命懸けの外交によってはじめて実現すると強調した。