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中国式社会主義現代化を考える
ひょうご社会主義ゼミナール

2022/12/28
中国共産党第20回大会などについて解説する上野義昭さん(全国自治体労働運動研究会)=12月3日、兵庫区文化センター
 2022年の「ひょうご社会主義ゼミナール」が12月3日、神戸市内で開かれた。
 「中国共産党20回大会と中国式社会主義現代化」をテーマに、『科学的社会主義』誌などに中国に関するいくつかの論考を発表してきた上野義昭さん(全国自治体労働運動研究会)が講演した。
 今秋の中国共産党第20回大会は、日本の報道では、習近平党総書記が異例の3期目に入り、党政治局(いわゆるチャイナ・セブン)人事も含め「習独裁体制」の強化ばかりが強調されたが、実際はどうだったのか。
 上野さんは、中国に対して肯定、否定いずれの見解をとるにせよ事実に基づく検討が必要との立場から、中国共産党が目指す社会主義について、20回大会が強調した「中国式現代化」とは、14億人という人口規模のたいへん大きな中国において、毛沢東による建国(站起来)、訒小平の改革開放(富起来)の時代を経て、経済発展優先の時代がもたらした党内の腐敗も含む諸矛盾を乗り越えようとする「新時代」に、共産党が指導する社会主義現代化(強起来)が今日の共同富裕論だとした。
 大会前に日本のメディアなどで盛んに報道された習近平個人崇拝を強化する「2つの確立」を20回大会が採用しなかったことも、その用語の解説とともに付け加えられた。(門永)